《生まれ順で違う忘れ物の克服法》
ハッピーな伝言板2022年3月号
年寄りの口癖は、「最近は忘れ物が多くなったなぁ!」というボヤキですが、忘れ物をする達人は子どももそうです。新入園、入学時には、何を持っていくかもわからないのでそのことを前日か当日の朝に一緒に確認する作業が必要ですが、だんだん自分で準備をし、小学3年生になるころには、何が必要かを自身で把握し、準備ができるような教育が必要です。
子どもというだけでなく、幾つになっても「忘れ物がある」ものです。特に子どもの思考法は、大人のように「過去、現在、未来」という時系列的な思考法ではないため「未来に対する備え」の仕組みがなく「未来で必要なもの」についてはどうしても準備が不十分になりがちです。その視点から子どもの忘れ物を見た場合、「子どもが忘れ物をするのは当たり前」という目線で見てあげることが大切であると同時に必要とも考えられます。また、子どもの忘れ物への克服法が生まれ順でも違うのでそのことについて「まっく式克服法」を紹介し、問題解決に役立てていただきたいと思います。
1.第一子の忘れ物と解決法(一人っ子と下に兄弟姉妹がいる子)
第一子は、忘れ物は段々しなくなるので低学年の時はあまり強く注意をしない方が解決が早いタイプです。第一子は何事においても先へ先へと思いを巡らすので「今日学校で何があるか」と考えられるので忘れ物が少なくなるし、昨日教師から言われたことを「メモすることもおっくうではない」ので忘れ物をしにくいタイプです。
低学年時に忘れ物があっても「明日は忘れないように注意すれば」くらいのアドバイスが適切です。「あんなに注意したのに」とか「また忘れたの」などと責めると何か忘れ物をしていないかとオロオロし、途中で思い出して引き返すときに事故にあったケースもあります。第一子は責めるより「今度気をつければ」とか「お母さんが気づけばよかったね」などとかばう方が効果的です。
2.中間子の忘れ物と解決法(上下に兄弟姉妹がいる子)
中間子は、忘れ物が多い方です。いくら注意をしてもおそらく直りません。ただ、中間子は忘れ物をしても困らないタイプなのでそんなに心配しなくてもいいといえます。中間子は与えられた環境の中で工夫や我慢ができるのである意味幼い時からそうした境遇を乗り越える「試練の場」があった方が将来、その経験が生きてくるともいえます。
ただし、中には自己表現が少なく暗い感じの子がいますので、そんな子はある程度自己表現をするようになるまで「頑張って」とか子どもと一緒に「明日の準備を手伝う」ことも必要です。
3.末っ子の忘れ物と解決法(2人以上で下に兄弟姉妹のいない一番下)
末っ子は「忘れ物をする天才」です。普通は人に忘れ物を指摘されると「あっ!忘れた」と気づくものですが、末っ子は「忘れたことも忘れている」といえるほど物忘れをします。しかし、末っ子の忘れ物もあまり心配いりません。困ったら躊躇せずに人に借りるし、「忘れちゃった!」と軽く交わせるタイプです。
末っ子に「今日は貸してあげるけどこの次は忘れないように」などと注意をしても効果はありません。スタートは幼少期からですが、生涯続くと思った方がいいでしょう。冒頭で述べたようにだから末っ子は「物忘れの天才」なのです。性格の明るさを大切にして時には厳しく。
最近はあらゆる状況下で「人のミスを許さない社会」になっているような気がします。お互いに息苦しくストレスの大きい環境が増幅しています。忘れ物だけでなく「ミスや欠点は誰にもあること」と大らかな気持ちで接しあう心のゆとりがほしいものです。特に新学期は。
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