《新学期への準備と対応》
ハッピーな伝言板 2024年3月号
4月は、お子さんには何かにつけ新しいことの始まりとなることが多いと思います。特に新入園、新入学ともなると本人はもとより、親にとっても「期待と不安」が交差する時期です。
「期待」については、充分お持ちのことと思いますので、今回は、子どもが新しい環境の中で埋没することなく自己を発揮できる親の対応法について述べ、不安の解消に役立てていただきます。
1.子どもをセルフコントロールしない
子どもが一日何をしていたか、困りはしなかったか、いじめられなかっただろうか、みんなと楽しく過ごすことが出来ただろうか等々、とにかく親の心配は尽きないものです。
そこで、子どもが帰るなり、「今日は何をしたの」とか、予定されていた行事を楽しくできたかを事細かく聞いてしまう。さらに、その報告の中に少しでも問題と思われるようなことがあると「そんな時は、先生に相談しなさい」とか「どうしてお友達に手伝ってもらわなかったの」、「今度から○○をしなさい」など、子どもへの指示やアドバイスをしがちです。
こうした子育てをしていると将来子どもが一人前の年齢になり、状況に応じて判断や行動を起こさなければならない時、自分らしい判断やしっかりした行動、部下への的確な指示が出来にくい人間になります。
子どもが小さい時から「親が見ていなかったり、側にいないため目が行き届かなかったこと」への口出しをしないことが大切です。我が子が、一端親元を離れたら、後は、「世間様が我が子を育ててくれている」と大船に乗った気持ちで子どもの帰りを待ち、帰って来たら子どもが一日の報告を始めるまで待つこと、そして報告した内容についてとやかく言わないことが大切です。
2.お母さんは何でも知っている!が良くない
今日一日子どもが何をしたのか、子どもからの報告はもちろん聞くが、子どもの友達や親、さらには、教師にも子どものことをいろいろ聞いて「子どもが何をしたかを全て把握しておきたい」というのが親心であることも理解できます。
ところが、子どものことをいろいろ知ると子どもが報告しないことがあったり、教師に叱られたなど都合の悪いことは言わないことがあります。そうするとお母さんは、「あなた、もっとお母さんに言うことあるでしょう」と子どもに水をさし、それでも言わないと他から得た情報を子どもに問いただし「お母さんは何でも知っているのよ」、お母さんに隠し事をしてもお母さんは、「お見通しなんだから」とやってしまう。これはいただけません。子どもの話しに多少間違いや未報告があっても「嘘をついている」のではなく、まだ外での出来事を「上手に話せる力が付いていないため」と考え徐々に力が付くまで笑顔で聞いてやることが大切です。
まっく体操クラブ 代表 向井忠義
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