《英会話よりマナーを!?》

《英会話よりマナーを!?》

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《英会話よりマナーを!?》
ハッピーな伝言板2022年10月号

最近は個人主義というのか、自分の好きなことを行うことが大切という風潮が強いように 思われます。ただ、その考えが「自分さえ良ければいい」という方向に向いているような気 がしてなりません。世界には自分以外の人がたくさん生活しているわけでその人達も「自分 の好きなこと」があります。しかし、自分自身の「好きなこと」と他者が同じ好みとは限り ません。社会の一員として豊かな活動をするには、「相互の理解力」が求められます。
我々は、長い間英語を習っているのに中々喋れるようになりません。教え方と習い方に問題 があるように思います。私も何度もチャレンジしましたが、ほとんど成果がありませんでし た。当然「頭が悪いから」と結論づけましたが、英語圏では3才の子どもでも英語を喋って いるではないかと気づき、自分でも可能なはずだと一念発起しました。そして英会話の習得 は「運動の練習と同じだ」ということに気づきました。間違いや失敗を恐れず、何回も何回 も繰り返すことです。子どもが言葉を身につける方法と全く同じです。
運動も人より速くとか、上手に、間違いなくと考えるといつの間にか運動に対する劣等感と運動嫌いになって運動をしなくなります。運動は人に勝つためとか人よりも上手く、と考える必要はありません。自分が楽しければいいのです。それが分かればきっと誰でも運動が好きになります。

・英会話の前にマナーを

日本は、山や谷、たくさんの川があるので住める面積は、国土の20%以下だそうです。その上、人口が多いので自ずと人口密度が高くなります。さらに道も狭いことから武士の時代には刀のサヤが触れ、争いになったことがあると聞きます。反面、雨の日に傘をさして人とすれ違うとき傘が触れないようにお互いに傘を反対側に少し傾けてすれちがうという気遣いもあったと聞きます。
これは素晴らしい、日本人らしいマナーだと思います。

ところが最近は、電車内で席を譲ろうとしないだけでなく銀行などで先にドアを開けてあげると会釈も「ありがとう」もいわずに、当然のような顔をして入ってきます。もっとひどいのは、歩道を歩いていると車道を渡ってきた人や商店から出てきた人が、自分すれすれに前を横切る人が多いことです。
小学生から英語を習うことが悪いとはいいませんが、それ以前に日本人が築き上げてきた素晴らしく「品のいいマナー」を身につけるべきではないでしょうか。

・小学生の英会話採用にもの申す

ある英語教師に英語をペラペラ喋るより「ノー サンキュー」と「イエス プリーズ」をいえることの方が大事とアドバイスされたことがあります。そして後々「その通りだなあ!」と思わされる出来事がありました。
イギリス人の友達が2才を少し過ぎた孫を連れて日本に来たとき、その頃流行っていた日本のオモチャを見せて「これ好きかな?」といって渡したら彼女が「イエス」といって受け取りました。すると友達は、「向井ごめんね、この子はまだ「プリーズ」がいえないの」と付け加えてきました。こんなに小さいときから「自分の意思であるイエス」とオモチャをくれる人、つまり「他者への意識を持つこと」を育てているのだと感心させられました。

2020年から日本では、3年生くらいから英語が必修になっているようですが、私はこのことに2つの問題が生じるのではないかと懸念しています。その1つは、学校というところはどうしてもテストをします。そしてテストをするとおそらく「正しい答え」と「間違い」というのがあって高い点が取れると「能力がある」と認められるのではないかということです。
しかし、会話は、正しいとか間違いとかは問題ではなく、声に出して喋ることが大切です。もし、いっている言葉が分からないときは聞く方が、(ある意味間違っている)ここは、「こういうことを言いたいの」と聞き直し、お互いが意味を理解し合うやり方(話し方)を身につけるべきだと思います。

2つ目は、何事も「最初からできる人」はいません。これはスポーツで例えるとよく分かりますが、テニスを始める時、1打目から相手コートにボールを打ち返すことはできません。それどころかラケットにさえボールが当たらないのです。それなのに「ラケットにボールが当たらないようではテニスはできませんよ」といわれたら、その場でラケットを置いて帰ってしまいます。ボールが当たらなくても「ラケットをきちんと持てていていいですよ」と褒め、ラケットにボールが当たってもとんでもない方向に飛んでいっても「ワァー10回目でラケットにボールが当たりましたよ、すごい」ということです。
間違いの積み重ねこそ上達の秘訣です。間違ったときにこそ「やる気を起こさせるのが指導者の仕事」です。それが、始めたばかりなのに試合(テスト)をやらせて、勝った、負けた(点数)で能力評価をする仕組みであるとするなら挫折者を出すばかりで、成果は望めません。小学生に限りませんが、こうした「評価方式と指導法」が「英語が苦手な日本人」を製造しているのではないでしょうか。

 

まっく体操クラブ代表 向井忠義

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